ヴィニタリー・ロードショー マスタークラスで現代のイタリアワインに迫る

VINITALY ROADSHOW ヴィニタリー・ロードショー

こんにちは。またまたお久しぶりのワインファンです!
今回は、昨年(2025)11月18日に東京で行われた「VINITALY ROADSHOW ヴィニタリー・ロードショー・イタリアワインマスタ―クラス2」の模様をお届けいたします。

昨年11月のある夜、「イタリアワインが恋しいな~、次にヴィニタリーに行けるのはいつかな~?」と思い、ヴィニタリーの情報を調べていたところ、東京で行われる「vinitaly PREVIEW」を発見。偶然にもその日が募集締切だったこともあり、すぐに申し込みをしました。

ヴィニタリーは毎年4月にイタリア北部の街、ヴェローナ(ロミオとジュリエットで有名なかわいらしい街です!)で開催される世界最大級のワインの展示会ですが、本国イタリア以外でもイタリアワインを普及するべく世界各国でイベントを実施しています。

筆者は他の仕事との兼ね合いでマスタ―クラス1には参加できず、マスタークラス2のみの参加でしたが、かなり久しぶりのイタリアワインの講座でしっかり聴講・テイスティングができて、ソムリエとしてイタリアワインへの情熱を思い起こすことができて身が引き締まりました。

フィリッポ・バルトロッタ氏(左)と吉川麻美氏(右)によるマスタークラス
Contents

Italy Reimagined

マスタークラス2のテーマは “Italy Reimagined”
イタリア上質ワインの素晴らしい旅をテーマに、歴史、事実、トレンドに焦点を当て、現代イタリアワインの美しい風景を形作ってきた要素を探ります。

イタリアワイン普及のための戦略的イベントのためか、イタリア大使館貿易促進部の方など数名のご挨拶からはじまり、本国イタリアのワインイベントと比べるとかなりかしこまった印象でした。
ただ日本人のクライアントにはこれくらいでいいのかも…… と思っていたら、イタリアのヴィニタリーに参加したことがある人という質問になんと全体の4割くらいの人が挙手……!

これにはちょっと驚きました。 確かに日本のインポーターさんが(菓子折り持って)律儀にヴェローナまでお越しになっているなーと、筆者も現地でよく目にしていましたが、ここに集まった約50人前後の人たちでその割合は高いなと感じましたし、やっぱりイタリアワインってワイン好きをひきつけてやまない魅力があるんだなと改めて思いました。

まずは6000年前(日本では縄文時代……!) にさかのぼってイタリアワインの歴史を振り返っていきます。
発見されたアンフォラに酒石酸がついていたことなどから、このころからすでにワイン造りが行われていたのではないかと思われています。 その後、ギリシャの文明、フェニキア人が入ってきてワイン造りが行われていました。

さらに時は進み、1976年のバルクワイン時代、イタリアでは栽培面積(120万ヘクタール)が最大だったときに、ワイン界では有名な「パリスの審判(1)」が起こります。

パリスの審判の衝撃が冷めやらぬ翌1977年、ロンドンのコンペティションでイタリアの至宝「サッシカイア」がはじめてワールド・オブ・カベルネ・ソーヴィニョンとしてNo.1 を受賞しました。

また、1960年代ごろからステンレスタンクの技術や無菌濾過の技術が入ってきて、クリーンでフレッシュな白ワインが造られるようになったそうです。
フランスワインの醸造技術も入ってきて、イタリアは1980年ごろからモダンワインメイキングに進んでいきます。

(1) フランスワインが絶対の時代にアメリカのワインがブラインドティスティングでフランスの高級ワインに勝利した事件

イタリアワインの今

2026年1月現在、DOCG(2) は77個まで増えているとのことでした。
筆者が資格の勉強をしていたころは70か71だったので、増えましたね~。

2025年はカラブリア州初! Ciro ClassicoがDOCGに仲間入りしたそうです。

これは筆者のお気に入りデイリーワインの価格高騰の危機かもしれません(笑)
年間で何本かは飲んでいるリピートワインのひとつにまさにCiroが入っているからです……!

★ カラブリアを代表する生産者「リブランディ」。 本国イタリアでもコスパ最強です!

また近い将来、エトナ(シチリア)もDOCGに昇格するのではないかとのこと。 どんどん増えて、もうソムリエの試験勉強が終わればすっかり抜け落ちていきそうですね。。

イタリア全体では、白ワイン51%、赤ワイン41%、ロゼワイン9% と白ワインが多く造られています。
バローロやキアンティ(キャンティ)のイメージが強いイタリアですが、実は白もたくさん造られているんですね。
栽培面積は、シチリア、ヴェネト、プーリア、トスカーナが上位、もっとも栽培されている品種はサンジョヴェーセ(11%)でした。

(2) イタリアワイン格付けの最上位

イタリアワインのトレンドを知るテイスティング

今回のテイスティングに用意されたワインは8種類。 マスタ―クラス1(午前の部)と2(午後の部)ではテイスティングワインも少し変わっているそうで、出す順番もご考慮いただいたそうです。

マスタ―クラス2で最初のワインは日本未輸入のプロセッコ・ロゼ。
プロセッコというと安くてカジュアルに飲めるイメージがありますが、この生産者 PROSECCO BELVEDERE SOCIETA’ AGRICOLA SS はフリーコードのシルヴォ式という栽培方法でクオリティーをコントロールしているんだそうです。
ブドウは上に伸びていくのが普通なので、枝が下に向いていくシルヴォ式ではちょっと苦しい。 結果、クオリティーがあがるそうです。

2番目はテイスティング唯一の白ワインで CORTE SERMANA コルテ・セルマーナ の「ルガーナDOC リゼルヴァ セルマーナ 2021」

ルガーナの産地はロンバルディアとヴェネトの2州にまたがっていて、ヴェローナの北に位置するガルダ湖のお膝元なので、ヴィニタリー参加ついでに、観光しつつ地元でワインを楽しむ…… という体験をしたこともある筆者ですが、もう10年以上前から、イタリアのソムリエたちは「おすすめの白ワインは?」と聞かれるとルガーナを推してましたね。

筆者もテイスティングメモに「懐かしい香りがする~!」と記入していました。 ルガーナの主要品種トゥルビアーナはふわっと香る柑橘や白い花が心地よく、酸とミネラルが特徴的なワインです。

テイスティングしたワインは、アルコール発酵の段階で一部大きな樽を使って、酸素と触れ合わせている。 ただ、熟成の段階ではフレッシュに造りたいので樽は使わないというスタイル。
シュール・リーの期間が2~3年、さらに瓶内でも1年熟成させているので、ルガーナのなかでも割とビッグボディな感じですが、樽をたくさん使っているわけではないので、まだミネラル感もすごく強い。 タニックなニュアンスやチョーキーな感じもあるかと思いますと解説してくれました。

今、イタリアワインでは、特に白ワインでは「テクスチャー」が重要なポイントだそうで、シュール・リーすることで香りに複雑性が増すだけではなく、テクスチャー(厚みや質)も増してくるそうです。

3つめのワインはCOLLEMATTONI コッレマットーニの「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ DOCG 2020」

ここから赤ワインのテイスティングに入っていくのですが、赤ワイン最初でブルネッロ……!
熟成期間およそ5年。 日本に出回っている最新ヴィンテージが2020年で、ちょうど2021年が出てくるころですが、まだ日本には届いていないとのことです。

ブルネッロ・デ・モンタルチーノはフルーツや花の香りなどの第1アロマよりも第3アロマ、熟成の香りが必ずあるのですが2020年はあたたかいヴィンテージで、まだフルーツ感がしっかりあるというのが特徴。 他のヴィンテージだと、リリースの際にもっと枯れた感じが強いです。

ここでフィリッポさんがちょっと嬉しそうに補足してくれたのが、こちらの生産者の「ロッソ・ディ・モンタルチーノ 2008」がかの有名な漫画「神の雫」にも出てきているとのこと。

筆者もちょっと検索してみたところ「このワインは夏の日の一夜の恋」との説明が……! 漫画のなかでどのようにワインが表現されているか気になりますね~!

4つめのワインは AGRICOLA FORTE アグリコーラ フォルテの「ペルトッチ・アンフィテアトロ 2019」

オルチャ DOCでサンジョヴェーセ100%。 マセレーション32日間とすごく長いので、タンニンなどのストラクチャーもしっかりある。
アルコール度数15%ながら、オレンジピールやグリーンのニュアンスを持ち、黒系果実の香りとあいまってどこか品を感じさせる味わいです。

続いて上の段のいちばん左のワインをテイスティング。Giovanni Aielloの「チャクラ・ロッソ 2023」
プーリアのワインでプリミティーヴォ100%。

プーリア州の名前は「雨がない」というような意味で、日差しが強く、アルコールがあがりやすく、果実感があるビッグボディなワインが多いとのこと。
チャクラ・ロッソは「ジョイア・デル・コッレ」DOCでブドウ畑は標高300~400メートルに位置しています。

その昔、約700年~700年半のあいだジブラルタル海峡(3)が閉ざされてしまい、スペインの南とアフリカがくっついてしまったことがあり、海水が入ってこなかったためにヨーロッパのエリアは水が干上がってしまったことがあったそうです。
そのときに石灰の土壌がたくさん生まれ、それが今でもイタリア中に残っているんだそうです。 プロセッコ、ランゲ、ソアーヴェ、プーリアの一部など。

このワインのブドウ畑の土壌もそのときの石灰が残っているそうで、ジャミーな感じが少なく、酸がすごく高い。 これがエレガントなジョイア・デル・コッレのプリミティーヴォの特徴なんだそうです。

また醸造時には全房発酵しているので、香りにキャンディー感、甘やかさがプラスされています。

(3)ヨーロッパ大陸南端のイベリア半島のスペイン(イギリス領ジブラルタル)とアフリカ大陸北端のモロッコとの間に位置する海峡

写真左から「ルガーナ DOC リゼルヴァ セルマーナ 2021」、「チャクラ・ロッソ 2023」、VILLA LE PRATAの「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ DOCG 2019」

続いて登場したのは、MARCHESI DI BAROLO の「バローロ DOCG サルマッサ 2018」

バローロ村は古い土壌が東側にあって、古い土壌のほうが栄養が少なく、少しアルカリ性が強くなりタンニンが固く出たりするそうですが、サルマッサのブドウ畑はバローロの南東に面した丘陵地帯に位置しています。
ここはトルトニアーノといい、比較的新しい土壌で華やかさが出たり、タンニンにやわらかさがあったりするそうです。

バニラ、リコリスなどスパイスの香り、力強く上品でとても調和のとれたワインになっています。
ちなみに筆者のテイスティングメモには「香り好き~!!」と残っていました(笑) タバコなどのアロマもあったりと、かなり酔いしれる香りでした。

★ ヴィンテージ違いですが、販売しています!

さて、ここからはブラインドで提供された2本の紹介です。

FONTEZOPPAの「ぺパート セッラペトローナ DOC 2022」。 マルケ州の赤ワインで、ヴェルナッチャ・ネーラという品種から造られています。 めずらしい品種で日本では最近やっとスパークリングワインが入ってきたそうです。

バラの花の香り、ピンクペッパー、白コショウ、複合的に山椒みたいな感じがあるので、うなぎのかば焼きみたいなものとあわせていただいてもいいかもしれないとのこと。
ペッパリーなので、胡椒を使っている料理がいいと思う。 あとはポルチーニ、トリュフっぽい感じとかも合うのかな…… と思うと説明してくれました。

最後は、VILLA LE PRATA ヴィッラ・レ・プラータ「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ DOCG 2019」

先にテイスティングしたコッレマットーニのブルネッロとは異なり、2019年は酸がエレガントに出やすいヴィンテージとのこと。
正直なところ、筆者は酸味よりタンニンがきれいに溶け込んでいるワインが好みで、酸味を強く感じるようなワインはどちらかというと苦手なのですが、メモには「これがいちばん好きかも」と書いていました(笑)

誤解のないようにいっておきますと、このワインは酸味が強いわけではないです。 エレガントなんです!
オーク樽で約36ヵ月間の熟成を経て、最低でも5ヵ月間の瓶内熟成。バルサミコやスパイシーな香り、繊細で複雑ながら、力強く長い余韻。トラディショナルなワインです。

あとがき

プレミアムクラスのワインは成長のきざしがみえるとのことで、今後に期待しているとのことです。
予定時間よりも押していたので、途中でフィリッポさんが「イタリアではよくあることなんですが……」といいつつもじっくり説明してくれました。 おかげで充実したお話を聞くことができてうれしかったですね。

また、このイベントでは毎年違うバイヤー(などワイン業界関係者)を招待することに力を入れているそうです。日本で行われるヴィニタリー関連のイベントに参加したことがない業界関係者の方はぜひ!
ルーツを大事にしながらも進化し続けるイタリアワインの世界を覗いてみてはいかがでしょうか。

そして、個人的はイタリアのヴィニタリーにもまたいつか行けることを楽しみにしています。
飽くことのないイタリアワインへの興味を昇華させたいと思っています。
それでは、また次回のコラムで! Ciao!

VINITALY ROADSHOW ヴィニタリー・ロードショー

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

Contents