こんにちは。 ワインファンです。
本日、10月24日(10月の第4金曜日)はシャンパーニュデー(1) ということで、シャンパーニュとアルザス地方の試飲商談会に参加したレポートをお届けします。
フランス・グランテスト商工会議所主催の試飲商談会とのことですが、皆さんは、グラン・テスト地方をご存じでしょうか。
恐れながら筆者は「?」状態だったのですが、調べてみたところ、フランスの行政改革で2016年に、それぞれ豊かな歴史と文化を持つ「アルザス」「シャンパーニュ=アルデンヌ」「ロレーヌ」の三つの地域圏が統合された、誕生からまだ10年経っていない地名だそうです。
「広大な東」(Grand Est)を意味し、フランス北東部の一大経済圏なんだそうですよ。
先日、閉幕した「EXPO 2025 大阪・関西万博」でもアルザスワインはゴールドパートナーとして参加。 一流ソムリエたちが厳選したアルザスワインを試飲できる機会もあり、フランス館に彩りを添えました。
(1) カリフォルニア在住のブロガーでワインセミナー講師のクリス・オゲンフュスの発案で始まった#ChampagneDay をタグ付けしてシャンパーニュを楽しむ様子をSNSに投稿するイベント。 近年ではリアルイベントの開催も増えており、シャンパーニュ愛好家のための世界共通イベントになりました
試飲商談会の東京会場では、12社が出展。 そのうち、筆者が比較的長めにお話を伺うことができた3社をご紹介します!
一番搾りのみを使った極上のシャンパーニュ・ドゥヴォー

シャンパーニュ・ドゥヴォーは1846年にジュールとオーギュスト・ドヴォー兄弟によってエペルネで設立され、1980年代にコート・デ・バールに移転しました。
ワイナリーは1951年まで、3代の未亡人によって管理され、生産量の75パーセントを輸出するなどドゥヴォーブランドは成功を収めました。
(黄色いシャンパーニュのメジャーブランドを思い起こさせますが、シャンパーニュの未亡人は偉大なのでしょうか…… )
コート・デ・バールはシャンパーニュ地方最大のピノ・ノワールの産地でアペラシオンの南に位置しています。
地理的にはブルゴーニュに近く、キンメリジャン泥灰岩ポートランド石灰岩からなる土壌でブドウが栽培されています。
1999年からセラーマスターを努めるミシェル・パリゾ氏は、ワイン造りへの革新的なアプローチが評価され、2020年のインターナショナル・ワイン・チャレンジ(2) でスパークリングワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。

(2) 1984年からイギリス・ロンドンで毎年開催されている世界でもっとも権威あるワインコンペティション
■ コンペティションの詳細はこちらでも!

ドゥヴォーは自社畑最高級のブドウの一番搾りだけを使用し、それらを長期熟成をさせることによってアロマの複雑さとエレガントさを持ち合わせたワインを造り出すことを重要視しています。
フラッグシップである「キュヴェ D」は最低5年以上瓶内熟成を経てリリースされます。

アルザスの美しい村の協同組合 カーヴ・ド・リボヴィレ

アルザス地方の美しい村・リボヴィレからの出展です。 余談ですが、テレビなどでみかけるカラフルでかわいい木組みの家はこのアルザス地方でよくみられます。
そして、アルザスワインって本当においしいですよね……!
フランスワインの銘醸地は多くありますが、筆者はもうかなり前からアルザスワイン好きを名言しております。
雑誌やWebマガジンなどでもよく目にしますが、アルザスワインと日本食の相性がいいんですよね。
これからの季節、鍋料理にぺアリングするのもグッドなので、ぜひ注目していただけるとうれしいです!

さて、カーヴ・ド・リボヴィレは1895年に誕生したフランスで最初の協同組合で、現在は41の生産者からなっています。
245ヘクタールのブドウ畑は、リボヴィレ村の北5km、南8kmに集中しています。 地質断層の上に位置しており、花崗岩から石灰岩、粘土や砂岩まで多種多様で、テロワールは300メートルごとに変わるといわれているほどです。
ユニークなテロワールを反映したワインは辛口でフレッシュなものから、甘くて複雑なワインまで高品質で豊かな味わいに仕上がっています。
また、カーヴ・ド・リボヴィレは持続可能なアプローチに取り組んでいて、2019年に栽培面積全体でHVE認証(3) を取得した初のワイン生産者となりました。 現在では、総生産量の3分の1がオーガニックとなっています。
(3) 認証機関 HVE (HAUTE VALEUR ENVIRONNEMENTALE)
高い環境価値を意味し、「生物多様性の保全」、「植物防疫戦略」、「施肥管理」、「水資源対策」の4つの分野について規定を順守した農業従事者に、与えられるもので、3段階のレベルがあります。 農業事業者を対象とした環境認証では最高レベルの認証

実は彼らのワインの一部はラベル違いではありますが、日本でも購入することができます。
ひとことでいうと「とにかくおいしい!」ので、ぜひ「カーヴ・ド・リボヴィレ」で検索してみてください。
4世代にわたる家族経営の生産者 ドメーヌ・フレイビュルジェ
アルザス地方屈指の観光地・コルマールから北に約8キロメートルに位置する小さなワイン生産の町・アンメルシュヴィールの家族経営の生産者 ドメーヌ・フレイビュルジェ。 現在は4代目のクリストフとナタリーがドメーヌを運営しています。

8.5ヘクタールのブドウ畑は2019年から完全にオーガニック認証を取得。 さらに2021年からはバイオダイナミック農法での栽培も始めています。
クリストフさんいわく、ドメーヌのシンボルとして描かれているトンボは生態系に敏感で繊細なんだそうです。
生態系の自然なバランスを維持することを将来の世代につなぐという信念を持ち、自然と人々を尊重したワイン造りを行っています。
また、ワインについてもエレガントで繊細であることを目指しているそうです。 豊かで複雑な土壌、自然が形作ったブドウを手摘みで収穫後、テロワールを表現したワインを生み出します。
また、ドメーヌの公式サイトのニュースでは今回の様子が載っていました!
日本での時間は有意義だったようで、少しですがお話を聴くことができた筆者も嬉しくなりました。 ぜひ日本にも彼らのワインが入ってきてほしいですね。
あとがき
今回の試飲商談会・東京会場はレストランで行われたこともあり、なごやかな雰囲気のなか生産者たちのお話を伺うことができました。
なにより彼らのあたたかな雰囲気がとても印象的でした。
ドイツとの国境に接しているアルザス地方はこれからの時季、はなやかなクリスマスマーケットで盛り上がりをみせます。
実は筆者もコルマールのクリスマスマーケットに行ったことがあるのですが、バスで町に入ると冬枯れのブドウ畑が一面に広がっていました。
いつかブドウの成長期や収穫前にいってみたいな~ と思っていたのですが、生産者の方々とお会いしてその思いは一層強くなりました。
(余談ですが、コルマールは「ハウルの動く城」のモデルになった町としても有名ですよね! ホントにかわいらしい町で観光にもおすすめです)
また、今日はシャンパーニュデー!
ということで、夜は今週届いたばかりのシャンパンを飲みたいと思います(笑)
シャンパンは特別なお祝いの日に飲むイメージをもっている庶民派な筆者ですが、たまにはなんでもない日にふと飲みたくなって、気分のままに楽しむのもいいですよね。
それでは、みなさまもシャンパーニュデーをお楽しみください。



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