6月になり、気温も湿気も高くなってきましたね。
暑かった1日の終わりや肌にまとわりつく湿気を吹き飛ばしたい……!
そんなときは気分も爽快なスパークリングワインが飲みたくなってきませんか。
そこで今回は、スパークリングワインのカテゴリーで世界で一番売れている「プロセッコ」の魅力をご紹介いたします!
そもそもプロセッコとは?
スパークリングワインのカテゴリーのひとつです。 北イタリアのヴェネト州とフリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州の9県で造られています。
スパークリングワインのカテゴリーで有名なのは、シャンパン(フランス)、カヴァ(スペイン)などがあり、イタリアでもフランチャコルタというシャンパン方式(瓶内二次発酵)で造られるものがありますが、こういった数あるスパークリングワインのなかで今、最も選ばれているのがプロセッコ。
ちなみにこのプロセッコはブドウの持つ個性を活かしたシャルマ方式(タンク内二次発酵)で造られていて、とってもフレッシュでアロマティック。
そして、多くの人々を魅了する最大の理由はその親しみやすさにあります。
特別感を演出してくれるシャンパンとは異なり、日常に寄り添ってくれ、皆でわいわいするときやアペリティフ(食前酒)などで気軽に楽しめるのがいいところ。
手に取りやすい価格もさることながら、多くのプロセッコはドライながらもアロマティックなのでまず香りに癒され、そしてアルコール度数は11.0% 程度と低いものが多く飲みやすいところにも親しみやすさを感じます。
日本ではまだ知名度が高くなく、群を抜いてシャンパンの売れ行きがいいですが、世界的にみるとなんといってもプロセッコなんです。
そして、このプロセッコの故郷ヴェネト州トレヴィーゾ県にある「コネリアーノとヴァルドッビアーデネのプロセッコ栽培丘陵群」が2019年に新しく世界遺産に登録され、ますます注目されるようになったのです!
この美しい丘陵地帯で造られるプロセッコはイタリアワインの格付けで最高ランクのDOCGに認められていて、上質なプロセッコを生み出すことでも知られています。
ではここで、おすすめの3つのプロセッコをご紹介します!
プロセッコの歴史はここから始まった! 世界中で人気のカルペネ・マルヴォルティ
プロセッコ・コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・スーペリオーレ
プロセッコを造るブドウ品種・グレーラはリンゴや梨、柑橘類のほかアカシアの花などとてもアロマティックな香りを持っていることが特徴です。
そこで重要なのが、この特徴的な香りを活かしたワイン造りすること。
カルペネ・マルヴォルティの創業者アントニオ・カルペネ氏は試行錯誤しながらイタリアではじめてシャルマ方式によるスパークリングワインを生みだした人物です。
「プロセッコの父」と呼ばれ、イタリア初の醸造学校を創立するなどイタリアワイン界に大きく貢献しました。
創業から150年以上経った現在、カルペネ・マルヴォルティのプロセッコは世界中で名声を得ていますが、本国イタリアでも多くのワインショップやスーパーマーケットで目にすることができ、品質の良さと手頃な価格を併せ持った信頼できるプロセッコです。
軽やかでバランスのとれたボディにフレッシュな果実の香りが、夕食前の至福のひとときアペリティーヴォ* にぴったりですよ!
* もともとは食前酒の意味。 夕食前にお酒と軽食を楽しむイタリア人の習慣。
- 希望小売価格:2,400円(+税)
- 内容量:750ml
- 生産国:イタリア
- アルコール度数:11.0%
- ブドウ品種:グレーラ100%
スタイリッシュなボトルと愛され辛口で我が道を行くベッレンダのプロセッコ
プロセッコ・スペリオーレ・コネリアーノ ヴァルドッビアーデネ・ブリュット
続いてご紹介するのは、今年で創業34年とまだ若いワイナリーながら、すでにイタリア国内外でゆるぎない評価を獲得しているベッレンダのプロセッコ。
プロセッコは全体の約6割がエクストラドライ** タイプなのに対して、同社の顔ともいえる「サン・フェルモ」(写真のワイン)は残糖量が7g/Lと少なく、ブリュット*** タイプに仕上げています。
そのスッキリとした味わいが、「どんな食事にも合う」「クセがなく飲みやすい」とリピ買いの方たちから多くの支持を集めています。
辛口ながらもやわらかな口当たりで、筆者もはじめて口にしたときはなんてやさしい味わいなんだろうと感じたことを覚えています。
リンゴやアカシアの香り、軽快な酸味にミネラルも加わったのどごしのいい「サン・フェルモ」は暑い夏の夕暮れどきに魚介や野菜の前菜を添えて飲みたいですね。
** 残糖量が12~17g/L
*** 残糖量が12g/L 未満
- 参考価格:2,652円(+税)
- 内容量:750ml
- 生産国:イタリア
- アルコール度数:11.5%
- ブドウ品種:グレーラ100%
3大プロセッコのアダミが最高区画「カルティッツェ」で造る特別な1本
カルティッツェ ドライ ヴァルドッビアーデネ プロセッコ スペリオーレ
プロセッコというと、いつでも気軽に飲んだり、カクテルベースとして用いられたり、自由に楽しめるのがいいところですが、そんなフレンドリーなプロセッコにもその品質の高さを評価され「3大プロセッコ」と称される生産者がいます。
ニーノ・フランコ、ルッジェーリ、そして今回ご紹介するアダミです。
アダミでは数種類のプロセッコを造っており、国内外のコンペティション、ワイン評価本などで最高賞をはじめ多くの賞を受賞するなど、のきなみ高評価を得ています。
すべて手作業で行われる畑仕事からこだわり抜いた醸造まで、緻密な仕事ぶりから生み出される宝石のようなプロセッコたち。
なかでも「プロセッコのグランクリュ」と呼ばれるカルティッツェは一度は試してみたいもの。
通常のプロセッコに比べると価格も上がってきますが、カルティツェのワインはプロセッコ全体の約4%ほどの生産量しかなく、とても希少なうえ、香りに複雑性があり、なんと200種の香りを持つともいわれているのです!
アダミのカルティッツェは、リンゴ、杏、梨、バラなどのフレッシュでエレガントな香りを中心に、豊かな果実の味わい、繊細で優雅な泡が持続するプレミアムな1本。
残糖量が比較的多めのドライタイプなので、昼食やデザート(みずみずしいフルーツをのせたタルトなど)とご一緒に。
- 希望小売価格:4,940円(+税)
- 内容量:750ml
- 生産国:イタリア
- アルコール度数:11.0%
- ブドウ品種:グレーラ100%
プロセッコはフルートグラスは使わずに…(おまけのお話)
泡のきらめきが目にも美しいスパークリングワイン、皆さんは普段どんな形のグラスで飲んでいますか?
飲食店で提供されるような長細いフルートグラスが最適と思われている方も多いのではないでしょうか。
実はよりふさわしいとされているのが、イタリアのプロセッコDOC保護協会も推奨しているゆったりとしたチューリップ型のグラスなんです。
そして、今回ご紹介したベッレンダ、アダミともに生産者のWebサイトでは「フルートグラスは避けて」と書かれていました。
ワインのアロマを楽しむのにフルートグラスは向いていない…… ということなんですね。
ぜひゆったりとしたグラスでプロセッコの香りも存分に楽しんでください!
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