プロが選ぶプライベートワイン 「リカーショップ アフリカー」小泉俊幸さん

ワインのプロフェッショナルはどんなワインが好きなのか?
普段どんなワインを飲んでいるのか?

ワインラヴァーたちの気になるところにフォーカスしたスペシャルインタビュー「プロが選ぶプライベートワイン」。

記念すべき第1回は、東京・日本橋のリカーショップ「アフリカー」の店長・小泉俊幸さんにお話を伺いました。

PROFILE 小泉俊幸
株式会社ANPAN 代表取締役
リカーショップ アフリカー店長兼オーナー
日本ソムリエ協会認定ソムリエ/WOSA南アフリカワインスペシャリスト

2011年~2013年頭にかけて夫婦で世界中を旅する。
そのうち1ヵ月ほど南アフリカ及び周辺国に滞在。雄大な自然や食事のおいしさ、最高だったワイナリー訪問。 数々の素晴らしい経験を日本の皆さまに伝えたい、そんな思いから南アフリカワインの販売を始める。

個人的におすすめのワインを教えてください

ボスマン ネイチャー&サン グルナッシュノワール 2020

― こちらはロゼですか?

一応、赤なんですけど、グルナッシュ。みてもわかる通り、色はけっこう淡い感じなんですよ。 すいすい飲める感じの赤ワイン。 ちょうどこれからの時季どんどん暑くなってくるんで、赤ワインが飲みたいけど、こってりしたのはちょっと…… というときにちょうどいいかなと。 まあ、自分もそうなんですけど。

― そうなんですね(笑)

で、赤ワインなんですけど樽使ってないんですよね。 フレッシュで、ボスマンという造り手のオーガニックのワインで。

― このワインの一番いいところは?

すいすい飲めるところ(笑)

― このワインに合わせるとしたら、なんですか?

幅広く合わせますね。パスタ(トマトスパゲティ)、ハンバーグ、チーズ…… 万能ですね。 だから、あきない。 しかも値段もそんなに高くないので。

― ワインのラベルも素敵ですよね。 どういった造り手なんでしょう?

中規模から大規模くらいの造り手ですかね。 場所はウェリントンというところにあります。

この造り手はワインを造り始める前は、もともとブドウの苗木の栽培をしていたんですね。 だから南アフリカの国中にこの人たちが造った苗木が植えられていると。 彼らは苗木の良しあしがわかるので、自分たちの畑にはいい苗木を植えているし、非常に良質なブドウを使っている。

― あと、ちょっと気になりまして、私の個人的な印象で申し訳ないんですけど、「グルナッシュ*」ってスペインのイメージが強いんですが、南アフリカのグルナッシュはスペインやフランスなどのグルナッシュと味わい的に異なる特徴はありますか?

ご紹介いただいているワインは色味的にも淡いので、造りが違うかとは思うんですけど、一般的な特徴としてあれば教えてください。

透明感のあるルビー色が美しい赤ワイン

えーっとね。南アフリカのグルナッシュはトレンドがあるんですよ。 トレンドがあって、ピノ・ノワールみたいなグルナッシュを造ると。 だからどの生産者も基本、淡いです。

― そうなんですか!

まあ、どのともいわないですけど、そういった傾向があると。けっこう淡く造られてる生産者が多いです。

だから、グルナッシュって濃いイメージがある人がけっこう多いと思うんですけど、実際、アルコール(度数)も高くなりやすい品種なんですけど、濃いグルナッシュもいっぱいあるんですけど、南アフリカは特に最近はピノ・ノワールチックなグルナッシュがぽこぽこ出てきて、すんごいキレイです。

* スペイン原産の品種。 スペイン語では「ガルナッチャ」

今まで出合ったワインで特に想い入れのある1本を教えてください

セレマ ガルガンチュア マスカデル 2000

甘口ワインってあまり日が当たらない。 今ひとつ人気がないんですけど、でも好きな人は好きなんですよ。 バカ売れするワインじゃない、ただ、飲むとめちゃくちゃおいしいんですよね。

― こちらは甘口ワインなんですか。

これは酒精強化** ですけど。 ちょっとだけブランデーが添加されている。 そのなかでいいたいのはですね「甘口ワインを飲んでください」と。 で、もし甘口ワインを好きになったら、これを最高峰として飲むと。

― なるほど。 最高峰…… お値段聞いてもいいですか?

これは15,000円ですね。

― ああ、最高峰ですね。

甘口ワインは甘いというだけで飲まず嫌いな人が多いみたいなんですよね。「いや甘いのちょっと…… 」みたいなね。 おいしいんですっていうのを知ってもらいたいですね。

― このワインとの出合いは?

これはウチの直輸入ワインなんですよ。 南アフリカのステレンボッシュに行ったときに知って。 ヴィンテージ2000年なんですよね。 2019年にリリースされてるんで、19年間樽のなかに眠っていて。 まさにもう飲みごろだし、おいしいんです。

― どういうときに飲んでいらっしゃるんですか?

特別なときですね。 売り物でもあるで、よっぽどじゃないと開けないです。 例えばもう寿命あと何ヵ月とか、いわれたら改めて開けようかなと思いますけど。

― 人生最後にもう一度飲みたいワインということですよね(笑)

そうそう(笑)、そうですね。 僕のなかではそういうワイン、残り(在庫)少ないですもん。

― こちらは酒精強化ワインを専門に作っている造り手なんでしょうか?

いやいやそんなことはなくて、もともと南アフリカは甘口ワインがもしかすると一番有名なのかもしれないです。

(クライン・コンスタンシア ヴァン・ド・コンスタンス*** を持ってきて)たぶん南アフリカのワインのなかで一番有名なんだと思うですよね、歴史的にみても。 このワインに憧れて、それをさらに良くしようということで(セレマでも甘口ワインを)造り始めた。

「マスカデル」っていうのは南アフリカの言葉で、ミュスカ・ド・フロンティニャンのことなんですよね。 だから、(ヴァン・ド・コンスタンスと)品種は一緒。 樽のなかでたくさん寝かせて、最高のものができましたと。

** アルコール発酵の途中で高いアルコールを添加することでアルコール度数を高めたワイン
*** ナポレオンが愛飲したことでも知られる世界的に評価が高い究極の甘口ワイン

ご自身でワインを買うときや選ぶときのポイントを教えていただけますか

飲食店で飲むことが多いので、ワインリストもらうんですけど、まあでも、基本おすすめですね。 「この料理に一番合うのください」って。

― ペアリング重視?

そうそうそう。 「おすすめなんですか?」とかそういう感じですかね。

― プライベートでも南アフリカワインが多いですか?

飲食店に行くとそんなことないですよ。 料理に合わせてます。

― (飲食店というと、アフリカーさん直営の)ワインバーが四谷にありますよね。

たまたま四谷に友人が経営しているお店があって、誘われたんですけど、その人は今、他に移転しちゃったんですよ。 じゃあここでやってみるか…… そんな感じで四谷になったんですよ。

四谷はけっこう名店街なんですよね。 有名なお店がちょこちょこあって、遠くからその店をめがけてくるという感じのお店が多い。

― ぴったりですね。専門的なお店ですし

ああ、ある意味はそうですね。 どういった南アフリカワインとお料理が合うとか、ペアリングをより深めたいですね。

ワイン以外でお好きなことはありますか?

― YouTubeを2年ぶりに再開したそうですが。

いろんな意味合いがあって、動画で発信できるコンテンツに手を出そうかなと。 ワインはラベルと液体しかないので、レストランも絡めてやってます。

ワイン以外だと今は、それこそYouTubeをみることぐらいしかやってないですけどね。 あと娘と遊ぶとか。 仕事しかしてないですね。 仕事のあいだに飲みに行くくらいかな。 お客様とワイン会やったりとかね。

あとは、出張が楽しみですね。 今度の6月か7月、約3年ぶりに南アフリカに。

■ 2022年06月12日に公開されたYouTube

インタビュー終えて

落ち着いた佇まいと、ゆったりとした口調ながら、南アフリカワインへの情熱が絶えず伝わってきた小泉さんのお話。

取材中、お客さまのご来店があるたびに横目で拝見させていただいていたのですが、自然体かつていねいな接客も印象的でした。

■ アフリカーさんのショップ紹介はこちら!

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